鉄骨造の店舗併用住宅を二世帯住宅に改修するという計画です。

【いくつかの住宅の説明】 Na-3 house
                                         
PUBLICATION

                                           WORKS-1 [Na-3 house] …概要

既存建物は1階が建築主の両親が営んでいた中華料理店、1階の一部と2階が住居でした。
建築主夫妻は別の場所で家庭を持っていましたが、高齢の両親が店を閉めるにあたり、生活
を共にすることにしました。
両親の築き上げた財産である鉄骨造の骨組みやALC板の外壁を極力残しながら新しい生活
に対応した建物に直すことが要望です。

北側は幹線道路に面した店の入口側です。
店の手前には来客用の駐車場が設けられていました。

南東側です。東側には巾4mの道路があります。
こちら側の1階には茶の間の大きな窓があります
が道路際のため雨戸がいつも閉められていました。

改修後の北側です。
ペントハウスを取り外し建物の形を整え、白いボックスとコンクリートブロックの壁を組み合わせました。
ブロック自体は一般的な製品ですが積み方を変えたり目地を白くしたり趣を変えました。

コンクリートブロック壁で囲われた部分は住宅用の駐車場になりました。
床のコンクリート仕上げはリノベーションらしく従前のままとしてあります。

南側は既存のインナーバルコニーを部屋に変え、新たに外側にスチール製のバルコニーを設けました。
東側の窓は高い位置に移動し、さらにパンチングメタルで覆い室内が見通せないようにしました。

夜はパンチングメタルに仕込まれた照明が効果を発揮します。

玄関アルコーブの突き当たりにはスリガラスがはめ込まれています。
ここにも照明を組み込みました。

1階には二世帯の家族が集まるLDKと両親
の寝室となる和室および水廻りを配しました。

リビング部分です。
左側の壁にはテレビ台をつくりました。
内部にはDVDレコーダー等が収納できます。

ソファやクッション、ダイニングテーブルは
建築主が長い時間をかけて選んだものです。

1階は扉や障子を壁や収納内に仕込むことにより部屋を開いたり閉じたりできるようにしました。
両親の意思によりプライバシーの段階を選ぶことができます。

右側の収納の扉を開けて4枚ある障子を引き出すと和室を閉じることができます。
障子の向こう側は壁に仕込まれた建具の開閉によりリビングルームにも寝室の
一部にもなる空間です。

リビングルーム上部の既存の床を一部はずし、
2階へ視界が抜けるようにしました。
吹き抜けに面した2階の壁はガラスとしてあります。

キッチンはシンクをアイランド側に、ガス器具を壁側にセットしました。
壁側のキッチンは扉で閉じることができるようになっています。

洗面室と浴室の間はガラスとアルミ扉で仕切りました。
ここには建築主がこだわった設備器具がセレクトされています。
洗面室の3つの鏡は多様な年代の家族に対応するよう高さを
変えて取り付けてあります。

らせん階段を上がった右側に子世帯の主寝室、
シアタールーム、左側に子供室を設けました。
階段部分と部屋とはガラスで仕切られ、手前か
ら奥へと空間が重なり合います。

夜はパンチングメタルを貼った扉とガラスが別の表情を見せてくれます。

子供室は当面解放的なプレイルームとして使われ、子供が大きくなるにつれ個室化してゆく予定です。

主寝室にはタンスを納めるボックスをセットしました。
ボックスの向こう側はデスクやパソコンがセットされ
ワークスペースとなっています。

2階のトイレです。
スリガラスの入った大きな窓はプライバシーを確保
しながらも明るさと開放感をもたらしてくれます。




←(扉を引き出して使うことができます)